2016年6月にPlayStation Vitaにて発売された。空の軌跡3部作最終作の移植版。
PlayStation VITAで展開されたEvolutionシリーズの最終作となる。
今まで同様、遊びやすく改善された部分が多い一作となっている。
ネタバレあり
Evolutionシリーズレビュー
英雄伝説 空の軌跡FC Evolution レビュー - ゲームウォッチ麺
英雄伝説 空の軌跡SC Evolution レビュー - ゲームウォッチ麺
よかった部分
システム改良による遊びやすさの向上
高速化はもちろん、3rd特有の新機能についても改善されている。
リモートアビリティはステータスのマイナスはなくなり装備特になっている。
ドロップアイテムについても、各魔獣が持つアイテムは2つに減り、盗みの対象になったためレアアイテムの入手率が上昇した。
また、クオーツに新たなものが追加された。アーツ即発動効果や被ダメージ大幅減少、ダメージ吸収、戦闘不能後即復活等チート級なものが揃っている。
間違いなく今までのEvolutionシリーズの中でも非常に遊びやすくなっている。
フルボイス化
相変わらずメインシナリオだけでなく、扉シナリオもフルボイスとなっている。
また、参加パーティキャラによって一部のイベントが変わるのだが、これもフルボイスとなっている。全パターン収録されているので確認するのも大変。
ギャラリーモード
ゲームをクリアした後、メニュー画面に「Gallery」が現れる。
これは、空の軌跡Evolution3作品すべてのイラスト、ムービー、BGMなどを閲覧できるという豪華なものになっている。
ここまでクリアした人に対してご褒美となっている。
悪かった部分
ボスの大幅なHP増加
6章あたりからボスのHPが大幅に増えている。
PC版と比べて最低でも2倍は増えており、ラスボス「アニマ=ムンディ」にいたっては元15万から2.66倍の40万にまでアップしている。(難易度ノーマルの場合)
他のステータスはPC版から据え置きであり、戦法も似たようなもののため単純に戦闘時間が長引くだけになってしまう。
PC版ではSクラフトを連発していればなんとかなる状況が多かったため、HPの上昇は理解できるが上昇値が大きすぎると感じた。
クオーツの入手タイミング
上記にも書いたようにチート級のクオーツが入手できる今作。しかし、その入手タイミングはラストダンジョン突入前と最終盤になっている。そのため7話までは通常効果のクオーツのみで戦うことになる。
ここにPC版から効果が変更されたクオーツの存在がある。それが「身の理」と「霊の理」である。
太陽の扉③で入手できるクオーツなのだが、PC版ではそれぞれ物理攻撃か魔法攻撃のダメージが上昇する代わりに逆属性からの攻撃を激減させるものとなっている。それが今作では戦闘中でのHP回復、CP回復に変更されてしまった。
長期戦になりがちで、さらに高火力Sクラフト持ちの守護者に対して特に持っておきたいクオーツだったのだがなくなってしまった。
デメリット効果がなくなったクオーツ「不動珠」、「仙道珠」の存在はあるが入手タイミングが最終盤になるので、使えないのはつらい。
扉シナリオについて
移植にあたってのシナリオに変更はない。そのため、PC版と同様に扉シナリオが面倒臭いままになっている。
ただでさえ長いシナリオに加え、フルボイスとオートモードの実装により、本当にプレイヤー側で行うことがなくなってしまった。
一応イベントの高速化はできるため見たくない場合は短縮できるのは救い。
攻略について
前半は普通に攻略できるが、6章あたりから難易度が上昇する。
デバフが効かないボスが増え、更に前述の通りHPが非常に高いため持久戦となりがちである。
基本はアースウォール、ガイアシールドでバリアを貼り、ゾディアックやフォルトゥナでバフを掛け、自身のHPに気を配りながら戦うことになる。
ただし、ラスボスのSクラフトがバリア貫通に変更されているため注意。初見殺しが加速している。
音楽
今作も全曲アレンジされている。
原曲から音源が変わった結果、透明感は消えはっきりとした曲調となっている。
「仄かに煌く光」、「想いの眠るゆりかご」、「幻影城《Phantasmagoria》」「Banquet of frenzy」
あたりが原曲よりも好きなアレンジになる。
戦闘曲よりもイベント曲のほうが印象に残った感じはあった。
またOP曲「Cry for me, cry for you」も最高のアレンジで非常に好きな曲だ。
まとめ
Evolutionシリーズ最後であるため、色々と詰め込んだ作品となっている。
後半からボス戦が多少面倒になることを除けば、とても楽しくプレイできるのは間違いない。
今では中古版の値段が高騰しているため、DL版を買うことをおすすめする。Evolutionシリーズ5作品セットとなったパックも販売されているためPlayStationVITAを持っているならば買って損はない。