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英雄伝説 空の軌跡 the 3rd レビュー

 

空の軌跡SCから約1年後の2007年、軌跡シリーズ第3作目にして空の軌跡完結編として日本ファルコムから発売された。

 

前作同様Window版の発売の後、2008年にPSP版が発売され、後に2013年にPS3版が発売。

そしてモバイル版やSteam版(非日本語)で発売されている。

今回もPS3版「:改 HD EDITION」についての感想になります。

 

ネタバレしかありませんので注意。

 

前作レビューはこちら

英雄伝説 空の軌跡FC レビュー - ゲームウォッチ麺

英雄伝説 空の軌跡SC レビュー - ゲームウォッチ麺

よかった部分

メインシナリオの出来

空の軌跡のメンバーが異世界「影の国」から脱出するために各星層を探索するという過去2作とは異なったストーリーとなっている。

そんな話の中心に置かれたのが、前作最後に謎を残したケビン神父となる。

前作では明かされなかった彼が持つ過去の罪と罰、そしてそんな彼が救われ未来を歩むまでの物語が描かれる。

各話の始まりで描かれるケビンの過去、そして7話で明かされる真実によってすべてが繋がり、煉獄に堕ちながらもリースがいることで完全に堕ちることなく今を足掻く選択をする。という流れがとても綺麗。

エンディングも変わったケビンと彼を支えるリースのシーンを見て、スッキリしたままゲームを終えることができた。

 

戦闘システムの一部改善

基本的には前作と同じなのだが、色々と改善された部分がある。

ATボーナスに即死効果を持つ「DEATH」、2回攻撃ができる「RUSH」、必ずアイテムドロップができる「ITEM GET」等、プレイヤー側に有利なものが追加されている。

当然、敵が使用しても同様の効果となるのでアーツなどでAT調整は必要となる。

さらに、Sクラフト発動時にスキップボタンが追加されたことで演出をカットすることができるようになった。長い演出のSクラフトが増えたため非常にありがたい。

ただし、アーツについてはスキップは出来ないため注意。

 

ファストトラベルの導入

メインダンジョン内部には石碑と扉が存在する。

これはブックマークの役目もあり、一度チェックするとショートカットメニュー「方石」を使ってそこまで転移することができる。

プレイしていると扉に行く機会が何度かあるためこの機能はありがたかった。

 

後のシリーズへの布石

階層内にある「扉」。これを開けると様々なエピソードを見ることができる。

内容は「SC」の後日談であったり、キャラの過去エピソードや設定資料の閲覧

と様々ある。

中には後のシリーズ作品「零、碧」「閃」「黎」へ繋がる設定や伏線を見ることができる。

 

悪かった部分

パーティメンバーの戦力格差

空の軌跡シリーズ最大人数の16人パーティとなる今作は、戦闘におけるキャラ格差が大きくなっている。

特に今作で新加入する元敵キャラクターであるリシャールとレンの2人が非常に強い。

リシャールは硬直時間の短いクラフトを持ち、CPが保つ限り永遠に攻撃可能となる最強クラスのアタッカーとなる。

レンはHPは低めなものの、魔法攻撃力が非常に高くさらに即死クラフトもあるため雑魚戦からボス戦まで使い勝手の良いキャラとなっている。

逆に、攻撃クラフトが増えたケビンやオーバルギアでテコ入れされたティータ以外の前作でも微妙だったキャラは微妙な性能なままである。

最終ダンジョン「幻影城」では全キャラクターを使用しなければならないため考えてパーティを決めなければならない。

 

リモートアビリティ

新システム「リモートアビリティ」

これは非戦闘メンバーから一人設定し戦闘時のステータスアップや戦闘リザルト時に体力回復や経験値増加等の追加効果を得られるものとなっている。

キャラによって様々な効果があるのだが、ほとんどのキャラはステータスダウン効果も持ち合わせている。

物理防御力5%ダウンというあまり軽くないものから魔法防御力25%ダウンという酷いデメリットまである。ステータスダウンがないのは終盤まで戦闘メンバーから離脱しないケビンとリースだけであるため、考えて設定しなければならない。

設定しないことも可能なため、経験値稼ぎやアイテム稼ぎをするときだけ設定するのも一つの手となる。

 

ロード時間

PS3版のみの話になるのだが、エンカウントから戦闘開始までのロード時間が非常に長い。

通常でも5秒かかりで深淵では約10秒にまでなってしまう。

プレイを続けていればあまり気にならなくなるが、やはり問題となる部分である。

 

アイテムドロップ問題

敵のドロップアイテムの種類がとんでもない数ある。

魔獣は6~10種類の取得アイテムをもっている。基本的には汎用アイテムなので気にすることはないのだが、一部の敵にはレアドロップとして高性能の装備品があり、ミラが溜まりにくい今作においてはぜひ入手したいものとなる。

シェラザードとジョゼットに追加された盗みクラフトが存在するのだが、レアアイテムは盗みでは絶対に入手できず、一度盗みが成功するともうアイテムドロップはしないためドロップ率増加アクセサリーやアイテムドロップのATボーナスを待つしかない。

 

扉シナリオ

各地に存在する「扉」。様々なシナリオを見ることができるのだが、その殆どはイベントを見るだけでありプレイヤー側で操作することは文字送りすることしかできないものになっている。

特に「月の扉」はそこそこ長いシナリオを見ることになるため内容次第だがストレスを感じることになる。さらに、メインストーリーも途中で途切れてしまいテンポが悪い。

途中スタートボタンを押せば中断できるのだが、最後まで見ないと報酬を手に入れることができない。大量のミラとここでしか手に入らないクオーツやクラフトが入手できるため結局はすべて閲覧しなくてはならないところは問題。

 

攻略について

戦闘難易度は前作以上となっている。

とはいえ基本はレベルを上げ、クオーツを揃えればある程度は戦える。

ボス敵に対しては前作同様、「アースウォール」「ガイアシールド」での完全防御付与、「ゾディアック」「クロックアップ改」などによるバフ付与を保つこと。またケビンのSブレイクは「グラールスフィア」にすることは忘れないように注意。

カシウスや黒騎士、ラスボスのアニマ=ムンディなど後半のボスは非常に強くなっている。

ただし、HPはあまり高くないためSクラフトを連発することでゴリ押すことはできる。敵のSクラフトを受ければ壊滅的被害を受けるので注意。

 

音楽

今作のBGMは前作までと少し雰囲気が変わり、透明感のある曲が多くなっている。

好きなBGMは「仄かに煌く光」「Determination of Fight」「Overdosing Heavenly Bliss」「夢と喧騒の聖地」

特に戦闘曲の印象が強かった。

 

まとめ

続編ではあるが外伝的要素が強い今作。

過去2作のプレイが前提となっているためハードルは高い。

その分3部作の締めとしては十分なものになっている。

そして続編に繋がる設定、伏線が多く存在するため軌跡シリーズをより楽しむにために必須の作品となるだろう。