2004年に日本ファルコムより発売されたRPG。現在も続く軌跡シリーズの記念すべき第1作目だ。
Window版の発売の後、2006年にPSP版が2012年にPSPRemasterという特殊な形式でPS3版こと「FC:改 HD EDITION」が日本ファルコムより発売。
さらに、クラウドゲームとしてモバイル版やおま国だがSteam版が発売されている。
色々と出ている中、今回はPS3版についてのレビューになります。
以下ネタバレあり
よかった部分
とにかく王道なシナリオ
主人公たち二人が様々な街で人と出逢い、そこで起きた事件をみんなと協力して解決、そしてその経験によって成長していくという王道なシナリオが魅力的。
また1作目ということもあって、後の作品みたいにキャラ数も多くなくメインキャラクターをしっかり描けているのもいいところ。
主人公エステルの成長物語
そんな彼女の精神的成長を作品内でよく描いていたと感じた。
最初は子供相手に張り合ったり、準遊撃士でありながら感情に任せて身の丈に合わない事件に関わろうとしたり、未熟な部分が序盤描かれていた彼女。
それが、パーティメンバーとの出逢いや出来事によって精神的成長を遂げ、最終的に正遊撃士の試験に合格する、という流れを章ごとにわかりやすく描いている。
また、弟のように思っていたヨシュアに対しても段々と異性として意識していくという部分は女性主人公だからこそできた流れだと思った。
悪かった部分
戦闘のテンポが悪すぎる
RPGなので当然戦闘があるのだが、色々とテンポが遅い。
まずアーツ(魔法)の演出が間延びしているものが多いのが問題。
例えばダメージ表記が出たあとも演出が続いていたり、そもそも演出が長かったりとテンポが悪い。
次に敵の行動時についてである。敵のターンになると一瞬間を置いてから行動を始めるのである。
さらに移動もゆっくりであり、それを敵味方両方同じように行動するため、特に敵の数が多いとストレスが溜まりやすい。
一応慣れれば気にならなくはなるのだが、後のシリーズを知っていたら耐えられないと思う。
エンカウントについて
このゲームはシンボルエンカウントを採用しているのだが、非常にエンカウントしやすくなっている。
というのもフィールド上でパーティメンバーが一列になって移動するのだが、すべてのキャラに当たり判定があるのだ。
先頭のキャラが避けてもそれ以外のキャラに敵が当たり戦闘開始となってしまう。さらに当たった場所によっては敵の先制攻撃からスタートしてしまうこともよくあった。
マップには敵が多く、よりエンカウント率が高くなってしまうのである。
一応、救済策として敵にぶつかってもエンカウントが発生しなくなる「葉隠」というアイテムがあるのだが、いかんせん入手時期が終章のためあまり意味はない。
続編ありきな物語展開
事件自体は一応解決するのだが、真の黒幕の登場そしてヨシュアとの突然の別れというショッキングな展開でエンディングを迎え、次回予告ムービーが流れてゲームは終わる。
という続編ありきな作りとなっている。
結果、本作はキャラ紹介や世界観の説明がメインになり、物語の盛り上がりに欠けた原因になったのではないかと思う。
攻略について
難易度設定がないため普通に攻略するしかないのだが、多少楽になる方法はある。
各章ごとにシャイニングポムという高い経験値持ちの敵が低確率だが決まった場所に現れるため主にSクラフトを使って倒すことで一気にレベルアップができる。
また、遅延クラフトや高範囲アーツ(特にホワイトゲヘナ)を使用することで楽に戦えるでしょう。
音楽
やはり日本ファルコム。楽曲にいいものが多い。
個人的に好きなBGMは「Sophisticated Fight」「銀の意志」「虚ろなる光の封土」
色々アレンジされているけれど原曲はやはりいい。
まとめ
前後編の前編部分ということもあって盛り上がりという部分では弱いのだが、シナリオそのものは牧歌的で優しいお話となっていて、そこが合えばおすすめはできる。
ただ、それ以外の要素が現代基準としてはあまり良くないため注意が必要。
今現在(2023年時点)、PSplusのクラシックカタログにてPS3版がプレイ可能ではあるが、ファルコム公式があらすじ動画をアップしているため、そちらでシナリオだけ見るのもありかなと。