「FC Evolution」の発売から約半年後の2015年12月にPlayStation Vitaにて発売された。
移植にあたる変更点は基本的に前作「FC Evolution」とほぼ同じであり、ストーリーの変更点はない。
ネタバレありなので注意。
よかった部分
新規システムによる高速戦闘の実現
「FC Evolution」同様に早送り機能が搭載されていることで戦闘のテンポが改善されている。
特に「SC」から追加されたSクラフトや上位アーツのエフェクトが長くなっているため、演出カットができない今作において非常にありがたいものになっている。
フルボイス化
相変わらずメインシナリオだけでなく、サブクエストまでフルボイスとなっている。
ドラマチックな場面が多い今作においてフルボイスとなったことで臨場感が増している。
また、一部イベントにおいて選択したパーティキャラごとにセリフが変わる部分があるが、これもフルボイスとなっていて非常に細かい作りになっている。
一部Sクラフトの調整
一部のSクラフトが魔法攻撃に変更となった。
Windows版では物理攻撃力依存であったが、これにより魔法攻撃力依存のダメージ計算となるためアーツメインのキャラの火力が上がることになる。
旧作ではただの演出を見る用だったSクラフトが実用的になったことはありがたい。まあ基本は高火力アーツがメインにはなるが、ないよりもあったほうがいい。
悪かった部分
一枚絵の存在
相変わらずイベント中に一枚絵が挿入される。
回想時使われる一枚絵は元絵からリメイクされたものだからいいとして、通常のイベント時に使用されるものは微妙だと感じた。
特に6章ラストのイベントはSDキャラのアニメーションがあってこそなのだが、そこがなくなってしまうのは非常に残念だった。
他の場面でもSDキャラの動きが見えなくなるためあまり必要な追加要素ではなかった。
オープニングアニメーションの劣化
なぜかOPテーマ「銀の意志 金の翼」がアレンジされた上フルサイズになっている。結果、一つのシーンが長くなり動作も少ないため非常に間延びしてしまっている。
わかりやすいのは、最初にあるエステルから離れたヨシュアのシーンから終章の対レーヴェとの一騎打ちを行うシーンだろう。
さらに前作と同じく登場キャラが偏っていて、なんのために長尺になっているのかわからなくなっている。相変わらずアガットとジンは出てこないし、新キャラのケビンもいないことになっている。
Windows版と同じOPの尺にしておけばもう少しマシになったのではないだろうか。
攻略について
原作と同様にレベルを上げ、バフ、デバフをしっかりと行えば苦戦することはない。
ボス敵は状態変化耐性がない敵がほとんどであるため、「カラミティクロウ」や「ファントムペイン」などのデバフ系のアーツ、クラフトを使うことが基本となる。敵のアーツ発動は阻止し、HPを保ちつつデバフを行う。
この戦法を使えば、ノーマルであれば剣帝レーヴェでさえ完封できてしまう。
音楽
今作も全曲アレンジされている。
原曲から大きくアレンジされた曲が多く、その結果良いアレンジと悪いアレンジの二極化が発生している。
「Shine of Eidos ~空の軌跡~」、「Obstructive Existence」、「The Merciless Savior」
あたりが特に良曲であると感じたものである。
「Strepitoso Fight」、「The Fate of The Fairies」、「銀の意志 Evolution Ver.」など、聞く機会の多い曲や人気のある曲のアレンジは非常に違和感のある出来となっている。
主に主旋律の音源が変わっていて原曲のイメージと大幅にずれていたり、イントロ部分が変わっていたりとコレジャナイ感じになってしまっている。
原曲に変更できるDLCが存在するため、最悪そちらで対応するのもアリかもしれない。
まとめ
原作を知っていると不満部分は色々出てくるものの、追加システムによって非常に遊びやすくなっている一作。
「空の軌跡SC」を遊びたい場合は間違いなくこちらを選ぶべきである。