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英雄伝説 空の軌跡SC レビュー

放置すると時間経過するタイトル絵が好き。

 

あのエンディングから約2年。

空の軌跡FCの続編として日本ファルコムから2006年発売、前作を超えるの大ボリュームで繰り広げられる軌跡シリーズ第2作目。

 

FCと同じくWindow版の発売の後、2007年にPSP版がまさかのUMD2枚組で発売された。後に2012年にPS3版ことが発売。

そしてモバイル版やSteam版で発売されている。

今回もPS3版「:改 HD EDITION」についての感想になります。

 

今回もネタバレしかありませんので注意。

 

前作レビューはこちら

英雄伝説 空の軌跡FC レビュー - ゲームウォッチ麺

 

基本的なシステム、UIに変化はなくシステム的な問題点は大体そのままである。

よかった部分

丁寧なエステルの心の動き

今作はエステルのヨシュアに対する心の動きが非常に良く描かれている。

FCラストでのヨシュア失踪によって心が折れてしまうエステル。仲間たちのケアによって立ち直ったように見えたが、内面ではヨシュアと会えない不安やヨシュアが自分の知らないところで危険なことを行っているという不安を抱えた非常に不安定状態であった。そんな彼女の思いが敵に利用されてしまうまでになってしまう。

だが旅での出来事によってその不安を克服できるだけの心の強さを身につけることに成功する。

そして強くなったエステルがヨシュアの支えとなることで彼の心を救う6章最後のシーンが一番感動した。

ラスボス戦後のイベントも二人が本当のパートナーとなったことが感じることができるものだったし、二人の物語として完成したものだった。

 

前作メンバーの深掘り

前作では伏線は張られたものの、あくまでエステルたちの協力者であったパーティメンバーたち。

今作では彼らの過去や因縁にもスポットライトが当てられることになる。

結構しっかりと描写されるため物語の厚みが増しキャラにより愛着が湧いた。

ただ、前作である程度過去の描写がなされたクローゼとティータはあまり設定の深掘りはされていない。

その代わり、クローゼはエステルにティータはアガットに対して支えになったり、執行者との因縁ができたりとしっかり見せ場自体は用意されているので空気というわけではない。

 

モブキャラの個性

前作でもそうだったのだが、モブキャラにも一人ひとり名前があり、物語の時間経過でセリフが変化することにより変化や成長が描かれている。

特に8章のモブたちは混乱のなか決して諦めず、日常を取り戻そうとする姿は今までモブのセリフチェックをしていた人ほど感じ入ることができるでしょう。

 

ハッピーエンドで終わらせたこと

前作の伏線は回収され、リベール王国での大事件やエステルたちパーティメンバーの問題もしっかり解決してハッピーエンドで終わることが出来た部分は非常に評価できる

ラスボスであるワイスマンが最期まで悪役であり続けたのも大きく、倒したときはカタルシスを感じることができた。

次回作以降に続く新たなる伏線が現れたものの、SCの物語はきれいなハッピーエンドであり、クリア時の達成感は非常によかった。

 

悪かった部分

シナリオの展開が同じようになっている

長いストーリーが展開される今作だが、一部のイベントの流れがパターン化されてしまっている。

前半部分では、各町ごとに発生する事件解決の中で執行者の紹介とパーティメンバーの誰かとの因縁の説明。

後半の特に7章では、四輪の塔の頂上で執行者と戦闘、戦闘勝利後結社の目的達成で執行者に逃げられる。

このような展開をどちらもそれぞれ執行者4人分をそれぞれ繰り返すことになるため非常にだれやすい。もう少しまとめることはできないものかと感じた。

 

フィールド移動が面倒

ゲーム前半では町ごとの移動方法は飛空艇を利用するのだが、終盤8章になると徒歩で全ての街に行かなくてはいけないため非常に面倒くさい。

ファストトラベルも存在しないため大変面倒くさいものになっている。

一応、移動用の機械が完全停止した本編描写を反映した結果ではあるのだが。

 

多すぎるパーティキャラ問題

最終的に合計12人の大所帯となるパーティメンバー。

主人公のエステルは固定でパートナーが章ごとに一人固定され、残り二人を自由選択するためどうしても使用キャラが偏ってしまいがちになる。

経験値はパーティメンバーのみに入るため、メンバー外とのレベル差が広がってしまう。

一応敵とのレベル差で取得経験値が変わるシステムのため、低レベルキャラが強制加入しても対処できるのは救いではある。

 

攻略について

今作から難易度設定が追加されたため、前作で苦戦した場合はイージーにするといい。ノーマルでも「FC」より楽にクリアできるだろう。

一応詰まったときはレベルを上げるとどうにかなる。今作も各章ごとにシャイニングポムが現れるためレベル上げは楽。ただし、前作とは異なり特定の敵グループに混じって登場するのでそこは注意。

ボス敵に対しては、「アースウォール」「ガイアシールド」での完全防御付与、「ゾディアック」「クロックアップ改」などによるバフ付与を行い、敵のアーツは妨害すること。

ただし、最終章の《剣帝》レーヴェはとても強いため、上記を頭に入れた上でしっかり戦略を練ること。

救済措置なのか攻撃料理はバランスブレイカーレベルで高火力のため、使いすぎるとつまらなくなるので注意。

 

音楽

新曲がとにかく良曲ぞろいで聴き応えがあった。

好きなBGMは「Shine of Eidos空の軌跡~」「The Fate of The Fairies」「Fateful Confrontation」「浮遊都市リベルアーク」「The Merciless Savior」

改めて名曲が多いと感じた。

またPS3版だとサントラのデータが含まれているのでお得。

 

まとめ

前作以上の大ボリュームで展開される本作。

前作「FC」から続いた物語はしっかり完結するため、前作が良かったと思った人にはぜひプレイして欲しい。

ただ、システムについては前作と変わらないため、そこについては覚悟が必要となるでしょう。